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現実と想像とマンガ

『タイムパラドクスゴーストライター』はパンツを宣言するゲーム理論

世の漫画は大きく二つに分けることができる。

パンツが描かれる漫画と、死んでもパンツが描かれない漫画だ。

お前らにおいては、このことは重々ご承知のことだと思う。

当たり前のことだが、漫画のコマの中の構図は、すべて作者がコントロールしている。
美少女ヒロインがどんなに短いスカートを履いていても、お前が死に物狂いで歯を食いしばって覗き込もうが何をしようが、作者にその気が無ければ、お前の願望が満たされることは永遠に無い。

たとえば最近のヒット作、『五等分の花嫁』の作者・春場ねぎ氏はtwitterでこう述べている。

この種の宗教に入っている漫画家は意外なほどに多く、その結果パンツが見たいお前らは無限に苦しむ。
私はそのことを非常に悲しく思うが、どうしようもない。

せいぜい「パンツ描いてくださいお願いしますなんでもしますから」とアンケートを出す程度しか方法は無い。あるいは多額の賄賂を渡すか。しかし、真の漫画家は金に釣られて改宗することは無いだろう。我々が見たいパンツは真の漫画家のそれのはずだから、金で買えるパンツはパンツでは無いということとなり、矛盾が生じてしまう。

結局、パンツを描かない漫画家であると判断したら、諦めるしかないのである。
我々は現実を見なければならない。

であれば、次に我々が行うべきことは、”描く”漫画家なのか、”描かない”漫画家なのか、見極めることである。

それがベテランであれば、議論の余地は無い。

たとえば───これはパンツでは無く乳首の話になってしまうが、パンツも乳首も似たようなものなので、話を混ぜこぜにしてしまうのだが───藤田和日郎という漫画家は、たいていの作品でヒロインの乳首を描く。
なぜかは知らないが、たいてい描かれる。そのため、我々読者は聖母マリア(の乳首)に抱かれるかのごとく、安心して漫画を読み進めることができるのである。

では、新人の漫画家ならどうか? 我々はどこで見極めればよいのか。

私なりの答えは、これである。

デキる新人は第三話までにパンツを宣言する

賢しいお前らにおいては容易に理解できることであろう。
簡単に説明しよう。

まず、パンツを見たい我々にとっては、この新人はパンツを描くのか否か?ということを、できるだけ早く知りたい。パンツがあるだけで希望が湧いてくるからだ。

そして、新人漫画家にとっても、そのことは分かっている。したがって、「パンツを描こうと思っているのに」「パンツを描かない漫画家だと見なされる」ことは、多大なる損失を生むことになる。賢しい漫画家であるほどそのことは分かっている。

よって、パンツを描く側の人間であれば、パンツを早めに宣言する。それがだいたい第三話までだろう、というのが私の読みなのである。これはゲーム理論の応用なのである。私はこのことを学ぶためにアカデミアに身を置いているといっても過言では無い。

もう少し説明を続けよう。

第一話でパンツが宣言される場合は、それはラブコメ漫画である可能性が高い。パンツが早ければ早いほど、確かに価値は落ちるので、薄利多売の戦略となるはずである。

第二話、第三話での宣言の場合は、どのジャンルにせよ、さりげなく描かれていることが多く、価値を高めようとする意図がおそらく働いている。

第四話以降だと、連載を追わずに脱落している可能性が高くなるため、リスキーである。

よって、上記の結論となるわけである。

そして、私は価値の高いパンツに価値を認める。ゴミのようなトートロジーであるが、きっとお前らにおいては共感を示していただけるものだと思う。

 

さて、遅くなったが、本題に入ろう。

ジャンプの今期の新連載の『タイムパラドクスゴーストライター』の第三話をみてみよう。

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集中線の焦点はヒロイン両手のGペンであるが、実質的な焦点はジャンピングパンツである。

率直に言って、この第三話における、主人公とヒロインの会話劇はかなり雑である。強引な話運びであり、ご都合主義の謗りを免れることはできないだろう。 

ただし、このコマでパンツを宣言したことで、一定程度の安心感を我々読者に与えてくれたのは確かである。この点においては、作者はかなり計算しているに違いない。 

もしかすると、強引な話運びは、このジャンピングパンツを見せるために作られた可能性すらある。

なお、現在の第四話まででパンツはこのコマだけであり、希少性は保たれている。
私の読みでは、単行本一巻の範囲内でもう一回くらいはパンツが宣言されると考えている。
さしあたって次の第五話に描かれるのかどうか、注視しておきたい。

ちなみに現在のところ、この作品のストーリー自体の評価は保留である。まだ主軸が描かれていないのである(だからこそパンツだけでも宣言した可能性すらある)。

週刊少年ジャンプ(24) 2020年 6/1 号 [雑誌]

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  • 発売日: 2020/05/18
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