ねとねとねとはのねとねと日記

現実と想像とマンガ

現実的な日記12

久しぶりだな。私はねとはだ。

ろくな日々を送っておらず、最近バトルフィールド1を買ってほとんど初めてのFPSをやり散らかしているが、ぜんぜんkillれなくて、deathってばかりで、だんだんムカつくばかりだが、きっと続けていれば、上手になっていずれ気持ち良くなれるだろうから、それまで我慢我慢と言い聞かせつつ、勤しむばかりだ。

漫画、あまり読んでいない。情けない。けどちょっとは読んでる。漫画の話をしよう。

 

『無能なナナ』

twitterで流れてきて、あらすじが酷いネタバレだからとにかくとりあえず何も知らずに第一話を読め、みたいなメッセージだったから、そのとおりに読んでみたら、まったくもってその通りで、おいおい編集は無能かよ、ってなった。第一話を読んだ後ならあらすじ読んでOK。第一話はココでダイレクトに読める。<ガンガンONLINE

ガンガンで連載中。ガンガンっていったら、少年がはしゃいで喜ぶ、けれどもおおざっぱでガバガバで無邪気で、ケレン味だけはいっちょまえみたいな作品が紛れ込みがちなイメージがあるけど、この作品はオモロでした。

言える範囲で述べる。ジャンルとしてはいわば心理戦なわけだけど、アホアホガバガバ突っ込みどころ満載な作品が世の中にあふれている中、この作品のシナリオはとってもお上手。常に緊張感を持たせ続ける筋書きが巧みで、隙がなかなか無い。画面の魅せ方も一定水準以上。だから読者は安心して不安になれる。この風味、今までありそうで無かったという感じ。もしあったとしても、ガバガバになりがちなジャンルだから有名作になり切れなかったのかもしれない。

しかし、明らかに第一話のミスリードでぐいっと引き込むタイプの作品なのに、アホみたいなネタバレをあらすじでカマすとは。あるいは編集としても、キャッチーさを苦渋の決断で求めてしまったのかもしれないが、他にやりようは無かったのか? その諸刃の剣、滑って動脈を自傷してしまっていやしませんか?

ともかく、久々に満足したガンガンの作品でした。ちなみに『魔法陣グルグル2』は好きッスよ。強くてニューゲームみたいで良いッスよね。

 

『バイオレンスアクション』

このマンガがすごいwebで月間1位を取ってて、かつ全然ノーチェックの漫画だったから、試しに読んでみたら、面白くなくってビックリした。マジかよ。いったいどこでこの作品、話題になって耳目を集めてたの?

ちょっぴり天然でゆるふわサイコパスな女の子が、簿記の勉強をしながら殺し屋稼業をするっていう、そのギャップのある新鮮なキャラクター「ケイちゃん」が立ち回るオムニバス作品。という紹介になるんだろうけど、その実ぜんぜん新鮮でも何でも無い。こういうキャラクターはよくいる。でもそれは良いとしよう。「あなただけの木を描きたいなら、その木を細かく細かく描きなさい」的な創作の言説を聞くことがある。この手の作品は、主人公のキャラクターの立ち具合がかなりの重要性を占めると思うんだけど、話が進んでも、一向にキャラが掘り下げられない。このキャラクターの魅力はゆるふわな見た目と天然さと簿記! そして殺す! 以上だ! という要素以上の掘り下げが無いから、話数が進むごとに順調に飽きる。もちろん、一巻の段階では、ということだが、漫画読みの感覚としては、二巻以降にどんどん面白くなるというビジョンが見えない。無垢な男の子キャラの投入も、残念ながらショボい。

あと、各エピソードも、なんかヤクザの金を盗んだから始末する、っていう筋書きばっかりで、お前らどんだけヤクザの金盗むの好きやねんてなる。ヤクザの金、盗んだらアカンよ。ろくなことにならへんで。そういう漫画、よくあるやろ? ってなる。そしてこの漫画はそういう漫画だ。

褒めるところがあるとしたら、アクションシーンはスタイリッシュで実際気持ち良いものはある。ヤクザの事務所で銃をパスパス打ち込むシーンはカッコいい。けど残念ながら、ヤクザの事務所で無双するのは寄生獣の後藤さんが既に金字塔を打ち立ててしもうとるから、あなたは後藤さんに負け負けなの。残念ね。

全編通して、サイコパス気味のスタイリッシュさを重視してるのは伝わってくるんだが、いかんせん台詞回しもスタイリッシュ過ぎて、それがためにリアリティを損ねてしまってるのが致命的。

 

『空電ノイズの姫君』

出ました冬目景先生。僕は冬目景の絵が大好きで、時々原画展に赴くし、氏のアートグラフ額装付きも何枚か所持している。たぶん、純粋に漫画家の絵として好きなのは、黒田硫黄林田球と、冬目景、という感じになろうかと思う。

という話はともかく、少々久しぶりに長編の予感のする作品が始まった。僕は冬目景のファンではあるけれど、全部の作品が好きなわけでは決して無い。たとえば氏の短編はあんまし好きでは無いし、マホロミとか幻影博覧会とか、短いエピソードを積み重ねていくタイプの作品もあんまし好きでは無い。思春期の頃に『羊のうた』という業の深い漫画に心が侵食されて以来のファンなわけだが、そういう、後ろめたい暗さがある、なんというか孤独の味方をしてくれるような陰のある冬目景作品が僕は好きなの。それで、久方ぶりに、そういう漫画を描いてくれました。原点回帰の新境地。

主人公の女の子は可愛くて孤独、そのバディとなる女の子も美人で孤独。彼女たちは、これから是認されていく。素晴らしいことではないですか……。

音楽バンドを描く漫画だから、演奏シーンは大変重要。それを冬目景の抜群の絵で描いてくれるんだから、よだれがジュルジュル出て、辛抱たまらん。

あと、やっぱり昔に比べて、台詞回しがめちゃくちゃ上手くなってるのを感じた。羊のうたとか、イエスタデイの初期とかに比べて、さすがに最早ベテラン、冒頭から物語に惹き付ける力が強くなってる気がする。ストーリーは前に前に進んでいくし、キャラもだんだん立ってくるし、もう安心感と恍惚感しか無い。いま恍惚感と言ったが、とても大事なことだが、主人公の女の子の造形がめちゃくちゃ可愛い。コマに現れるごとに僕は恍惚恍惚する。コウコツまみれとはこのことや。

 

ところでなんか最近、面白い漫画を読むと、胃もたれするようになってきている。一度に全部摂取できない感じ。冬目景のも少しずつしか読めなかったし、人間仮免中つづきとかも、しょっぱなからパンチ効きすぎててまだ読み切れてない。一度に読むのが勿体無いとかそういう理由ではなくって、本当に”胃もたれ”って感じなのだ。なんだろうこの現象? トシなのか? 

 

無能なナナ 1巻 (デジタル版ガンガンコミックス)

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バイオレンスアクション(1) (ビッグコミックススペシャル)

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