ねとねとねとはのねとねと日記

現実と想像とマンガ

バーバリアン"よしだ" その2

罵倒子さんは今日もバーバリアンのために新しい脳を焼いている。

「バーバリイェン、アッタラシ、オミソヨ!」という決め台詞を放ちながら、脳ミソをバーバリアン"よしだ"の頭部に向かって投げる、ということを、ひと昔前はよくやっていた。世間的にも一種のブームみたいなものだった。

しかし今では罵倒子さんの筋肉も衰えてしまったし、バーバリアンもひっそりと暮らすようになってしまったため、翌朝用として、晩に"よしだ"の家まで届けにいくという、かなり地味な作業に堕してしまっている。

バーバリアンは無敵なので、暴走されると大変なことになる。だから予めプログラムしておいた脳で、彼のアイデンティティの大部分をコントロールすることにしている。記憶もリセットされるように作っている。彼女と、その統括官であるJAMジイは、彼が何かを学習し、反逆心を持たないか心配しているのだ。幸いにも今日まで、そのような恐ろしい兆候は認めていない。

バーバリアンにおいては、今日も気張って、てきを見つけ出し、やっつけてもらいたい。連綿と続く均衡と秩序を維持するために。そう彼女は願いながら、脳を焼いている。