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ねとねとねとはのねとねと日記

現実と想像とマンガ

ミウラタダヒロ『ゆらぎ荘の幽奈さん』 レビュー:(未読者向け ネタバレ無しver.)

漫画

侮れない・舐められない

オススメ ★★★☆

 

箸休め的にこの漫画のレビューをしておこう。

一応言っておくと、もちろん、天下のおジャンプ様お抱えのご漫画様であるところのラブコメである。どうせジャンプの中でのエロ担当枠だろう、とか、そこのあなた、舐めたりしていませんか。

もちろん、良い子のみんなは、分かってるよね。え? 分かってない? ToLOVEるのまがいもの? ニセコイの後釜? 単なるエロ枠? おいおい、ポンド砲をぶち当てられる覚悟があるのかよ。

もちろん全然ちがいますよね。似て非なるアナルという言葉は有名ですが、それにも当てはまりません。似ず非なるアナルです。

真の良い子のみんなは分かってること、おじさんは知っているよ。おじさんは、そんなみんなの味方だよ。

じゃあこれから、みんなが何となく理解していることを、言語化していこうね。

『ゆらぎ荘の幽奈さん』がいかに優れた漫画だということをな……。

 

「幽奈さん」は、約1年前にジャンプ本誌での連載が開始された。

当初から割と安定した掲載順位をキープしており、一時は掲載順位2位にまで昇りつめたこともある。現在もまずまず安定しているようで、打ち切りの心配は無さそうだ。他にラブコメ枠が無いというのも大きい。『ラブラッシュ!』も蹴落としたし(それに関しては許さん)。どうやら世のボーイ&ビッグボーイたちに支持され続けていることが窺える(ガールの反応はわからん)。

 

さて、僕自身はというと、連載開始直後は「おいおいまたアパート型エロハーレムクソ漫画のお始まりかよ」と思ったものだった。

画力の向上は見て取れたが、前作である『恋染紅葉』の微妙っぷりは払拭できていなかったし、展開のお約束感が「ああもう見ちゃおれん」状態であったのだ。第一話のステレオタイプ的風圧には吹き飛ばされそうになったし、コリャもう打ち切り待ったなしやな、と思った。まぁ20週くらいかなぁ、、、と。

ところが、連載が進むにつれてキャラの個性が発揮され出してから、徐々に(僕の)見る目が変わってきた。

 

一つ、主人公である冬空コガラシがふつうにカッコいい。昨今しばしば少年誌で見かけるラブコメの、エセ優しいだけで何故かモテてしまう主人公とは一線を画している。優しいだけではない、これはちょっと惚れてまうやろォていう説得力がある。颯爽とした思いやりに溢れている。僕が女子だったら確実に惚れてまう。断言しよう。彼はまさしく、漢なのだ。

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<ふつうにカッコいい>

二つ、ギャグがサムくない。この部分に関しては受け止め方に個人差はあると思うが……古臭くないのは間違いないと思う。漫画におけるギャグの成功と失敗は、間の取り方などはもちろん、漫符一つの違いでも結構変わってくる。作者はそのあたりのバランス感覚に長けているらしい。場面場面のボケとツッコミが機能している。そしてこれは一話完結型の本作において、毎話のメリハリの良さに関わってくるのだ。

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<好みの問題もあろうが、たぶん『ニセコイ』とかだと余計に漫符を使ってサムくなる>

三つ、女の子たちも各々キャラが立っており、主人公不在でも話が成り立ちやすい。”主人公はバイトに忙しい”という設定の助けもあったりして、ほぼ女の子たちの掛け合いだけで完結しているストーリーがちょこちょこある。それでもうまく一話を回せているのだから、キャラごとの役割分担が成功しているということなのだろう。

四つ、特に表情の描きわけに関する画力が高い。表情だけで読者に訴えかけるものがあるのだから、当然、その技術はセリフ回しをスッキリさせることにつながり、可読性が向上する。それに、単純な話、眺めているだけでも楽しいし可愛い。

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<表情のバリエーションが豊富なので見てて飽きない>

その昔、ニセコ…ウッ頭が、というクソクソ漫画がジャンプに掲載されていたが、かの作品は、主人公は優しさのペルソナをかぶったその実ウンコ以下の邪悪な性格をしていたり、ギャグがわりあいサムかったり(悪くない時もあったのだが)、女の子はかわいいものの、今思えばなんで女性陣が仲良くやっていたのか不自然なところもあったりして、ほんまにあの漫画は…ウッ頭が。

まぁそんな話はどうでも良い。

 

そういうわけで、『ゆらぎ荘の幽奈さん』は結構侮れない漫画だったりするわけなの。まとめると、魅力的なキャラの掛け合いが面白いわけなの。だから僕はランキングに入れたんだな。ジャンプ買ったらとりあえず「幽奈さん」を読んでしまう僕は、決してキモくないわけなんだな、これはな。

最近のホニャララな展開も巧いし、もう目が離せないんだな、これがな。

良い子のみんなはもちろん、悪い子のみんなも、わかってくれたかな? (群衆がひれ伏すイメージがねとはの脳裏によぎる)

うむ。よろしい。