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現実と想像とマンガ

映画『明日、君がいない』

くたばりもそこそこなので、『明日、君がいない』を観た。

前々から観たいと思っていたが、時期を逸していた。

積ん読みたいなものだ。積ん・なんたら。積ん・概念。

基本的に僕は前田有一は信用している。この映画も97点を付けられてたし、それで観たいと思っていたのだ。

面白かったが、病み上がりには重かった。観て良かったが。以下ネタバレ少なめ。

 

原題は『2:37』。この時刻に、ハイスクールの生徒の誰かが自殺することが冒頭で示される。が、誰かはわからない。この点はミステリータッチ。観客は、主要な登場人物の誰が結局その当事者となるのか、予測しながら観ることになる。

 

主要人物数人は、誰もが危うさを抱えている。当初の印象を途中でひっくり返すような人物も出てくる。とにかく、これらの誰が自殺してもおかしくない、と思わせられる。

 

群像劇タッチで、主要人物たちが交錯しつつ、事実やバックグラウンドが少しづつ明らかになりつつ、その時刻である午後2時37分へと少しづつ確実に時間が進んでいく。

 

そして最後に全貌が明らかになる訳だが、謎の解明と同時に、監督が伝えたかった強烈なテーマも浮かび上がってくるという構造になっている。

このテーマは、やはり強烈。これがやりたかったことか、とシンプルにダイレクトに伝わって来る。複雑な群像劇に見えたストーリーが、結局は一本の強固な筋で形成されていたことを知るカタルシス。

 

とても良い映画だが、元気なときに観るべきだ。

観て疲弊した。

ねとはオススメ。