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ねとねとねとはのねとねと日記

現実と想像とマンガ

漫トロピー⑤

彼とは高校の同級生だった。だから初めて会ったのは、”多分”高校の時である。なぜ”多分”かというと、高校の同級生だったけれど、当時喋った記憶が特に無いのだ。どこかで喋った可能性はあるが、喋ってない可能性も同じくらいにはあった。

 

そして彼と初めて確実に喋ったのは、大学に入ってからだった。

この前年のNF、つまり2006年のNFのときに、僕がかの占い屋で客引きをしていた時に顔を合わせたのを覚えている(その時はまだ比較的真面目なスイエー部員だったのだ)。

「なんかどこかで会ったことありますよねぇ?」

「うーん、せやな、高校の時かな?」

みたいな会話をしたのを覚えている(しかし上の会話のどっちがどっちのセリフかまでは覚えていない)。ともかく、その時に顔と名前と出自が一致し、互いが互いを認識したのだった。

しかしその後の1年間、特に会うことも連絡を取ることも無かった(連絡先も知らなかった)。

 

そして2007年のNFのゴザの前に、彼は再び現れたのだった。

名を、Mとしておこう。

Mはこのゴザ漫画店の店主であった。なんでも、彼の友人が開いていた出店の前に、ゴザを敷いたらしい。ゴザの上には、先に述べたように、マイナーな漫画ばかりだ。

僕はこの時まで、彼がこれ程までに漫画好きだとは全くもって知らなかった。興奮した僕は、早速彼と(前年には成しえなかった)意気投合をし、連絡先を交換し、また漫画を5冊ほど購入した。値段は覚えていないが、尋常では無いくらい安かったことは覚えている。

実は僕が来る前に漫画はもっと沢山積んであったらしいのだが、既にだいぶ売れてしまっていたらしい。見る人が見れば宝の山なのだから、当然である。

ちなみに後に聞いた話だが、このゴザ漫画店がきっかけで、結婚にまで至ったカップルがいたらしい(たまたま同時に店に訪れて、同じ漫画を欲しがり、じゃあ私が買いますので今度貸しますよ、みたいなノリで交際に至ったらしい。漫画みたいな話だ)。

 

この時、Mにも、漫画を読む専門のサークルが無いかと尋ねたのだが、やはり知らないということだった。

彼と別れた後もしばらく挙動不審にブラブラしていたが、他には特に収穫は無いまま、2007年のNFは幕を閉じていった。