ねとねとねとはのねとねと日記

現実と想像とマンガ

漫トロピー③

なんやかんやで、僕は学年として、3回生に上がっていた。年にして、2007年のことだった。 

どこか大学内に、漫画を読む専門のサークルが無いものかと、掲示板の張り紙を見て回ったり、ネットの書き込みを探してみたりなどをして、ウロウロと日々を過ごしていた。

ネットの京大板(2ch)に書き込んだりもしてみた。

「京大に、漫画を読む専門のサークルとか、無いですかね?」

すぐにレスを付けてくれる人がいた。

「漫画を読むことすら一人で出来ないのかよ」

この他にレスポンスしてくれる人はいなかった。

 

11月、学祭の時期がやってきた。November Festival、略してNFとも呼ばれている。

当時の僕は、このNFが好きだった。けど、どうして好きだったんだろう?

たぶん11月という、冬一歩手前の、静や死を象徴する季節がゆるやかに迫っている寂しげな雰囲気の中で、皆が出店やら文化部の展示などでワヤワヤ楽しそうに騒いでいる、その対比を眺めるのが好きだったんじゃないかと思う。大げさに言えば(本当に大げさだが)、雪の中で燃え輝く篝火のような幻想をみていたのだと思う(実際僕はキャンプファイヤーを見るのも好きだった)。

 

僕はその2007年のNFも、ノコノコ歩き回っていた。

上に少し書いたように、文化部もここぞとばかりにどこも展示を頑張っていたので、漫研(漫画を”描く”サークル)以外に漫画に関するサークルがないものかと、探し回っていた。

実際、漫研のブースにも行って尋ねてみたのだが「そんなサークルは知らない」ということだった。

しょげ返った僕は、首を落としつつも、それでも、何か無いか、何か無いか、とブンブン首を振り回し、挙動不審に徘徊していた。

彼が現れたのはそんな時だった。