ねとねとねとはのねとねと日記

現実と想像とマンガ

米代恭『あげくの果てのカノン』 :レビュー(既読者及び全然興味無かった人向け 少々ネタバレ有りver.)

人間の同一性に対してどう向き合うか オススメ ★★★★ ネタバレ無しver.から書こうと思っていたが、既に十分話題作な上、ときどき取り上げられ方に疑問がある漫画だったので、ネタバレ少々有りver.から書こうと考えた次第である。なお、2巻の範囲までのレビュ…

現実的な日記6

腐敗臭を漂わせつつ、僕は漫画を読み続けているし、世のミームにも侵され続けている。 明らかに「わーい!」「すごーい!」などという言葉を発する回数が増えた。 本来的に、こんな語彙力を下げかねないワードの乱発を避けたいのに。 つい「すごーい!」と言…

現実的な日記5

実を言うと、3匹目のアヒルはとっくに顕現している。 ピーちゃん、ピッピちゃん、とくれば? そりゃあ、ピュイちゃんDANE。 不慣れな新しき環境。その道5年のピーちゃんに教育係をお任せよ。 けれど全く役に立たない。 ピーちゃんはピーピー言うだけだし、…

思春期のUFO

「こんな大金、うちには無いわよ!」 帰宅したばかりの父を前にして、紙切れを持った母が喚いている。 「でも、悪気があってやったわけではないんだからさ…」 まだスーツ姿から着替えてもいない父は、うんざりしたように反論する。けれど会話は噛み合ってい…

灰色

紫色で照らされた肌が妖しく光り、僕を見て強烈な笑顔を形作る。 その視線は僕の中のすべてを見通すようで、身体が熱い。 灰色の自転車を引き連れて歩き出す。でもどうして。自転車を僕と君との間に挟むの。 きっとそのもどかしさを、君は味わっているんだろ…

NOBEL『妄想テレパシー』 レビュー:(未読者向け ネタバレ無しver.)

twitter媒体からの新境地 オススメ ★★★★ 他人の心の声が聞き取れる、という設定は、フィクションの世界において、かなりありふれている。いわゆるテレパシーと呼ばれる能力。それを物語内で、”外面的”にフォーカスを当てた場合、たとえば能力を利用して事件…

ミウラタダヒロ『ゆらぎ荘の幽奈さん』 レビュー:(未読者向け ネタバレ無しver.)

侮れない・舐められない オススメ ★★★☆ 箸休め的にこの漫画のレビューをしておこう。 一応言っておくと、もちろん、天下のおジャンプ様お抱えのご漫画様であるところのラブコメである。どうせジャンプの中でのエロ担当枠だろう、とか、そこのあなた、舐めた…

脇田茜『ライアーバード』 レビュー:(未読者向け ネタバレ無しver.)

未熟な青年と少女の、歌とギターを通じた成長譚 <ボーイミーツガール> オススメ ★★★★ 巷には音楽をテーマとした漫画が山のようにある。 それらの多くの作品は、仲間との絆や周りからの評価を得て、少しずつ大きな世界に羽ばたいていき、結果的にはそういった…

厘のミキ『ミザントロープな彼女』:詳細レビュー <第10話を中心に> (既読者向け ネタバレ有りver.)

<未読者はこちらをどうぞ 厘のミキ『ミザントロープな彼女』:レビュー (未読者向け ネタバレ無しver.) - ねとねとねとはのねとねと日記> 本稿は、第2巻までの既読者向けである。未単行本化分については触れていない。 ここでは、物語の大きな転換点となる…

厘のミキ『ミザントロープな彼女』:レビュー (未読者向け ネタバレ無しver.)

異色ラブコメの傑作 オススメ ★★★★★ <本稿は未読者向けです。2巻までの既読者はこちらのレビューをどうぞ 厘のミキ『ミザントロープな彼女』:詳細レビュー <第10話を中心に> (既読者向け ネタバレ有りver.) - ねとねとねとはのねとねと日記> 傑作である。…

ポール教授の興味深い一日

ポール教授はもちろんパジャマを着て寝る。少々独特なのは、フワフワ帽子もかぶっていることだろう。このことに特に意味は無く、幼い頃からの習慣だ。 昨晩も教授は自室のベッドで熟睡していた。が、突如覚醒した。脳裏に熱いマグマが滾った。そのマグマとは…

2016年 ねとは漫画ランキング 30作品

前投稿で、自分が『漫画トロピーク』というサークルに所属していることを表明した。 それで、このブログでちょいちょい漫画評をしていきたいと思っているのだけれど、その足がかりとして、僕が投稿した、漫画トロピークの2016年・個人ランキングを公開してお…

『漫トロピー』と『漫画トロピーク』

これまでこのブログにおいて、京大のサークル、『京大漫トロピー』の結成までの経緯を紹介してきた。 今後ゆっくり、始動後から軌道に乗るまでのアレコレを書いていきたいと思うが、その前に、ある程度、タイトルの2つのサークルの概略をご紹介しておきたい…

漫トロピー⑧ 《漫トロピー結成篇 了》

ルネにて。 まず彼、Mに、メールでは伝えきれなかった、細かな僕の考えを伝えることから始めた。 改めて、漫画読みサークルが京大には存在しないこと、無ければ作ればええやろという発想に至ったこと、それを我々から始めようということ、そして、東大にはそ…

漫トロピー⑦

東大の漫画読みサークル「TMR」。 彼ら彼女らの冊子を読み終えたとき、様々な感情が湧いた。 「すごい」「羨ましい」「悔しい」。そして「ナンデ?」。 僕は精神的ジジイへとメタ擬人化し、エアお孫に脳内で話しかけられた。 「ねぇおジイちゃん、東大にはこ…

漫トロピー⑥

時は2007年の年末に移る。冬コミである。 ここでも記憶ははっきりしないのだが、それまであまりコミケというものに足を運んだことは無かったと思う。むしろこの時が初参加だったかもしれない。 特にお目当ての同人誌があったというわけでも無いのだが、例に…

『ファイナルファンタジー15』 → ウィッチャー3 → ペルソナ5

ねとはは今現在腐っている。臭いに敏感な人間なら、喫茶店の隣の席くらいからなら察知できるかもしれないくらいの微妙な腐臭を漂わしている。ああ、甘い香りにいつの日か変わることを、期待するばかりよ。 そんな風に期待するばかりで、上記のゲームをやって…

ファイナルファンタジー15 → 『ウィッチャー3』 → ペルソナ5

ねとはは今現在腐っている。熟成したいなぁ。しかしさしあたり腐るのだ。哀れな。 腐っている間上記のゲームをやっていたし、今後も積みゲーをやるだろう。でも漫画も本も読まないといけない。神よ。 それで、ペルソナの前はウィッチャーをやっていた。ウィ…

ファイナルファンタジー15 → ウィッチャー3 → 『ペルソナ5』

今現在ねとはは腐っている。発酵できたらシメたものだが、さしあたり腐っている。 腐っている間は上記のゲームをやっていた。ちょうど今ペルソナ5を全クリしたところである。 まずペルソナの話。4までプレイしたことなくて、初めて手を出した。 めちゃくち…

ねとはへの100の質問 その②

51.思春期によく読んでいた作家は? マイクル・クライトン。スティーブン・キング。トマス・H・クック。星新一。 52.言外は好きですか? 基本的に嫌いですが、憧れがあります。 53.こいつには勝てねぇな、という存在は? FF5のオメガ。 54.それでも戦わなけ…

ねとはへの100の質問 その①

モンキー伯爵のインタビューは全くもって役に立たなかったため、天の声に100の質問をして頂くこととした。これでねとはのことを少しでも皆に理解してもらえるかもしれない。期待しよう。 1.好きな御神体は? ウマでしょうか。 2.好きなTV番組は? ほとんど…

ねとはとは何なのか③

昼下がりのスターバックス。カフェーと談話で賑わう客たち。キャッキャ。ウフフ。 しかし伯爵の存在に次第に彼女たちは気づき始めたらしく、恐怖の輪が広がっていく様を僕は肌で感じた。 「席を取っておいてください。ああ、コーヒーは私のおごりですよ。何…

映画『明日、君がいない』

くたばりもそこそこなので、『明日、君がいない』を観た。 前々から観たいと思っていたが、時期を逸していた。 積ん読みたいなものだ。積ん・なんたら。積ん・概念。 基本的に僕は前田有一は信用している。この映画も97点を付けられてたし、それで観たいと思…

現実的な日記4

気管支炎でくたばっていた。 今もややくたばっている。 インフルエンザだと思っていたら、それにしては不自然なくらい、症状が続いていた。 39度を超えるときつい。超えなくてもきついが。寒気が。倦怠感が。襲い来る。 神よ。 なぜ私にかような試練をお与え…

ねとはとは何なのか②

スターバックスまでの道中、モンキー・クリストファー・ジョンソン伯爵は、自身の仕事の内容について語ってくれた。 「四肢を切り離すところから始めるんですよ」 表情一つ変えずに、伯爵は話し始めた。 「もちろん、生きた猿です。捕獲されてからすぐにキッ…

漫トロピー⑤

彼とは高校の同級生だった。だから初めて会ったのは、”多分”高校の時である。なぜ”多分”かというと、高校の同級生だったけれど、当時喋った記憶が特に無いのだ。どこかで喋った可能性はあるが、喋ってない可能性も同じくらいにはあった。 そして彼と初めて確…

ねとはとは何なのか①

本ブログを運営している、ねとはとは何者なのか。 今回、たまたま道端で出会った、モンキー・クリストファー・ジョンソン伯爵にインタビューをして頂く機会があったので、その記録を掲載させて頂く。 モンキー伯爵は、関西のとあるセントラルキッチンにて、…

漫トロピー④

そこはキャンパスの中でも出店が最も多く立ち並ぶ、中央グラウンドの中だった。 確か”お祭り広場”みたいな学祭限定の名称を持つ広場だったと思うが、四辺にまんべんなく、やれタコ焼きやら、やれインドカリーやら、やれ特製ギョーザやら、やれ占い屋さんやら…

漫トロピー③

なんやかんやで、僕は学年として、3回生に上がっていた。年にして、2007年のことだった。 どこか大学内に、漫画を読む専門のサークルが無いものかと、掲示板の張り紙を見て回ったり、ネットの書き込みを探してみたりなどをして、ウロウロと日々を過ごしてい…

漫トロピー②

時は2008年が明けたばかりの冬の頃。山科駅。客を待つタクシーもどこか寂しげにみえる、寒い夜。 飲み会の帰りで少し酔っていた僕は、その場所その時にふと思い立ち、とあるメールを友人に送ろうとしていた。 詳しい文面までは覚えていないが、ほんの数行だ…